著者/岡田温司
出版社/ナツメ社
内容
美の女神ウェヌスを取り巻く「バラ」、聖母マリアのもとに舞い降りる白い「鳩」、人物の心情や社会的地位を示す「色」…「目に見えない何か」を伝えるシンボルの数々を徹底解明。150点を超える名作をカラーで収録。
感想
西洋美術に関して何も知識がありませんがとても興味深く読みました。
読んでいて映画のダ・ヴィンチ・コードのように謎解きをしていくような感覚がありました。謎解きというと例えはおかしいかもしれませんが、作品を理解する上でのヒントになって大活躍!の一冊です。
本書にもありますが、作品の製作された当時の社会や文化などを知らなければ、ちゃんと理解することが難しいそうです。確かに。
今までは「男性の絵」「天使と女性の絵」などの見た目から「そういう絵なんだろう」としか思いませんでした。美しいな、表現がリアルですごいな、とか。
この図鑑を読むと「男性のそばに■■■を象徴する△△△が描かれているので、神話に登場する◯◯◯◯という神だろう」、「天使と女性の絵は聖書のこのシーンを描いたもの」などと、より深く作品の内容に近づけます。
この作品は何を表現していて何を伝えようとしているのか。そういうところまでわかるようになると美術に対しての「難しいイメージ」がちょっと変わりそうです。
生きた時代、社会背景、生活習慣、文化、言語…。
当時とは異なるものだらけですが、今の時代にも通じる変わらない物事の捉え方や感覚などがあっておもしろいです。